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値引きぶんを上回るシェア増大がなければ利益が出ないし、一度始まった値引き合戦は職烈な消耗戦となるお大きい。
さらに、大幅な値引きによりブランドイメージを大きく損なう。 消費者は品質での差別化をしなくなり、価格面のみに焦点が当てられてしまう。
T・Bのケースはまさにこのことを示唆している。 そもそも、他社に比べてコスト面で有利な立場であったT・Bは、シェア拡大を狙い、「バリュー・メニュー」と呼ばれる比較的安いメニューを90年に導入した。
当初は競合他社からの客引きに成功したこの戦略も、徐々にその効果が薄れ、95年には売上げが減少した。 そこでさらに割安な「Eバリュー・メニュー」を導入するが、これも効果がない。
ここで経営陣はより高品質な商品を高い値段で設定したメニューを発表し、イメージの転換を図るが、それも失敗する。 その理由は、何よりも一度低価格に慣れた消費者が、値上げに見合うだけの品質を認めなかったところにある。

このようなブランドイメージの低下を避けるには、1つの手として、値引きの理由を考え、品質の維持を訴えることが考えられる。 つまり、品質を低下させたのではなく、何かほかの理由が値引きの背景にあることを、消費者に理解してもらう努力が必要となる。
92年にP&Gが行った値引きは、販売店の値引き合戦にピリオドを打つものであり、商品の品質低下ではなく、簡易化された売買を意図していた。 小売業・消費者双方にとって有意義なものであり、その便益を理解した両者はこの戦略を高く評価した。
また、一見非現実的な戦略と思われがちだが、値引きとセットでプロモーションを行うことも可能である。 Mの例においても、値引きの前後にわたって積極的に広告とプロモーション(投資総額2億ドル)を行い、ブランドイメージを維持することに成功した。
値引きによってただでさえも利益が低下しているときに、さらに投資することは危険に思われるが、逆にこのようにブランドを下支えすることなく値引きを行えば、そのブランド・エクイティが著しく損なわれることはいうまでもない。 場合によっては、下位マーケットへの転換が唯一のオプションであり、損なわれるブランド・エクイティがそもそもない場合もある。
Cビールはこのよい例である。 70年代半ば、経営陣はコスト削減のためにより安い原料を用いた新しいバージョンを開発し、市場に送り出した。

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